
土曜日の深夜。街中のラーメン店には飲み帰りの客があとを絶たない
豚骨以外のスープも次々登場
「少しでも気を抜いたら、うちの店なんてすぐにつぶれますよ」。 熊本市高平の大黒ラーメンの中川博文はそう話す。 今や老舗の人気店として多くの常連客を持つ同店でさえ、熊本での激しい“ラーメン競争”に危機感を抱く。ひと昔前の熊本ラーメンと言えば、白濁の豚骨スープに焦がしニンニク、麺は中太のストレート麺が定番。 しかし、最近は醤油味や塩味、さらに豚骨をベースに独自のアレンジを加えた醤油豚骨味や魚粉入り豚骨味などのスープをこしらえる店も珍しくない。 熊本市中心部にはそうした“非豚骨系”を特徴に多くのファンを獲得した店もある。
スープだけではない。各店の麺へのこだわりも一様ではない。 例えば、熊本市下通の亜和麺のウエーブ麺はその名の通り、波打つような形状が特徴。 濃い口の醤油味スープとの絡みを考えてのものだが、「関東のちぢれ麺のように巻きがきつくなく、熊本らしさも残しています」(大塚優輝店長)と独自性を強調する。
波打つウエーブ麺が人気を集める亜和麺の「和風もっちりらーめん」
こだわりの麺開発で特徴生かす
さらに、超極太麺の“二郎系ラーメン”や、麺の味わいを重視した“つけ麺系”など、新しい味を追求した店が次々に登場。 その多くの店では、ラーメンに夢をかける若い店主たちが腕を振るっている。もちろん、本流の熊本ラーメンも負けてはいない。絶えず研さんを重ね、ニーズの微妙な変化にも対応している。 「先代たちが苦労の末に究めた味を、ここで廃らせるわけにはいかない」。中川(大黒ラーメン)の言葉にも自然と力が入る。
熊本のラーメン界は新たな局面を迎えた。伝統に息づく老舗と、若い力で戦いを挑む新規参入店の激しいバトル。その一幕が「くまもとラーメン祭」の会場で繰り広げられる。(敬称略)









