熊本の人気ラーメン店がグランメッセに集結
くまもとラーメン道

濃厚スープに青年たちは衝撃を…すべては玉名から始まった!

 濃厚な豚骨スープ、香ばしい焦がしニンニク、そして、のど越しのよいストレート麺…。これが、他県の豚骨ラーメンとは一線を画す、いわゆる熊本ラーメンの特徴だ。第二話では、熊本ラーメン誕生までの道のりを追った。(K)

若き麺職人たちの飽くなき挑戦

  熊本ラーメンの歴史は、昭和20年代までさかのぼる。「玉名にうまい食べ物がある」<CODE NUMTYPE=SG NUM=5BB3>。そんな噂を聞きつけた3人の青年が、当時、玉名駅前に屋台を出していた久留米ラーメン店「三九」を訪れた。
 そのころ、麺の主流といえば、うどんやそば。豚骨を煮込んだ白濁スープは、多くの人が初めて体験する味。3人の青年も、その濃厚でコクのある味わいに大きな衝撃を受けた。
 この体験がきっかけとなって、のちに3人は味千(熊本市)や、こむらさき(同市)などを創業。熊本ラーメンの礎を築き上げることになる。
 同29年に、こむらさきを開店した山中安敏(故人・当時30代)について、その息子で現社長の禅(しづか)は「生前の父は、何もかも一からつくり上げる過程がおもしろかった、とよく話していました」と回顧する。ラーメンという新しい味の世界への挑戦に、山中をはじめ若き麺職人たちは強い興味を示し、たちまちその魅力に引き込まれ、情熱を注ぎ込むようになった。
コラムイメージ2 熊本ラーメン独特の焦がしニンニク

食欲そそる焦がしニンニク

 こむらさき開店当初、山中は納得のゆく味をつくり出すために試行錯誤を繰り返していた。「スープも麺もこれでいい。だが、何か物足りない」。豚骨を炊き上げたスープに残る、豚独特のにおいが気になっていた彼は、これを打ち消したいと、香味野菜のニンニクに目を付ける。
 しかし、ニンニクを生のままラーメンに入れると、強い臭みが鼻をつく。豚骨スープとの相性もいまひとつだった。
 そこで、生のニンニクを水気がなくなるまで鍋でいり、臭みを消した。これによって、なんとも食欲をそそる香ばしさがニンニクに加わった。かむと独特の風味が口の中に広がる、焦がしニンニク完成の瞬間だった。
 熊本ラーメンは、玉名で山中たちが食べたラーメンをヒントに誕生した。しかし、乳白色の濃厚スープや焦がしニンニクなど、次第に独自の特徴を加味しながら発展していく。その過程では、草創期のラーメン職人たちの飽くなき挑戦があり、絶え間ない努力が積み重ねられた。(敬称略)