熊本の人気ラーメン店がグランメッセに集結
くまもとラーメン道

男性客中心から家族客へメニューや店舗イメージ一新

 熊本ラーメンは昭和20年代、久留米や玉名ラーメンをヒントに誕生。草創期の麺職人たちの努力で、店舗も次第に増えていった。しかし、現在のようなスタイルではなく、店主たちは熊本に“ラーメン文化”を広めるため、新たな挑戦を試みる。(K)
コラムイメージ2 ギョーザやご飯ものなどとのセットメニューはファミリー層のニーズに対応した

多彩なセットメニューの登場

   「うちは姉夫婦から昭和59年に店を引き継いだんですが、そのころ売上の7~8割が出前の注文でした」。いっぷくラーメン(熊本市)の一美俊克は振り返る。
  当時のラーメン屋といえば、メニューに日本酒や焼酎、おでんなどが一緒に並ぶのが一般的。男性客が中心でお世辞にも、今のように家族で気軽に食べに行く雰囲気とは言い難かったという。そのため、電話一本で自宅まで運んでくれる出前は、子どもや女性が本格的なラーメンを食べられる数少ない機会の一つだった。
  しかし、時代が昭和から平成へ変わったころ、一美はラーメン店の現状に危機感を覚える。低価格で料理を提供するファミリーレストランや、おにぎり・弁当を販売するコンビニエンスストアが急速に店舗網を拡大していったためだ。
  「このまま出前に頼っていていいのだろうか」。悩んだ末に、彼は家族での外食をイメージした来店型の店舗スタイルを模索。その一環として、ギョーザや焼き飯などの一品料理やデザートを組み合わせたセットメニューの開発に取り組んだ。これが功を奏し、次第に家族連れで来店する客が増えていった。
コラムイメージ2 多店舗展開する味千により、熊本ラーメンは大きく広がった

多店舗展開でおいしさ全県へ

   ラーメン店がより身近になっていく過程では、味千(同市)による県内全域への多店舗展開が大きく寄与した。
  昭和43年に創業した同社はその5年後には、のれん分けした店が20を超え、本格的なフランチャイズチェーン化を進めた。店舗網の拡大と共に、熊本ラーメンの味は県内の隅々にまで浸透。明るい雰囲気の店舗設計やマスメディアを使った宣伝効果によって、新たなファミリー層などをラーメンファンへと取り込んでいった。
  今年11月現在、同社は国内外に535店舗を数えるまでに成長。今や、熊本ラーメンの名を世界中に広めている。(敬称略)